最終更新: 2026年06月
MT5にEA(自動売買プログラム)を設定するのは、やってみると意外と簡単です。ドラッグ&ドロップで2〜3分で完了します。ただし、1か所でも設定を間違えると「EAをセットしたのに取引が一切起きない」という事態になります。私も最初の頃は「アルゴリズム取引の許可」を忘れて1時間悩んだことがあります。
この記事では、MT5でのEA設定方法をスクリーンショットレベルの粒度で、初めての方にもわかるように解説します。
免責事項: FX取引はリスクを伴います。自動売買ツール(EA)の利用においても損失が生じる可能性があります。本記事は情報提供を目的としており、利益を保証するものではありません。
MT5のEA設定に必要な3つの準備
設定を始める前に、以下の3つが揃っているか確認してください。
- MT5がインストールされていること — ブローカーのサイトまたはMetaQuotesの公式サイトからダウンロード
- 口座がMT5対応であること — 口座開設時にMT5を選んでいるか確認。MT4口座ではMT5が使えません
- EAファイル(.ex5形式)が手元にあること — MT5対応のEAは
.ex5という拡張子です(MT4のEAは.ex4で、MT5では動きません)
準備段階でよくある誤解
「同じMetaTraderだからMT4のEAをMT5でも使えるはず」という思い込みで躓く方が多いです。MT4とMT5は異なるプラットフォームで、EAのプログラミング言語(MQL4とMQL5)も異なります。MT4用のEAファイル(.ex4)はMT5では認識すらされません。MT5で使うには必ず.ex5形式のEAが必要です。
全体の流れ(8ステップ)
- EAファイルを正しいフォルダに配置する
- MT5を再起動する
- ナビゲーターでEAを確認する
- チャートを準備する
- EAをチャートにドラッグ&ドロップする
- 設定画面で「アルゴリズム取引を許可」にチェックを入れる
- パラメータ(ロット数等)を設定する
- ツールバーの自動売買ボタンをONにする
STEP 1: EAファイルをフォルダに配置する
まずEAファイル(.ex5)を正しい場所に置く必要があります。
フォルダの場所を開く手順: MT5の上部メニュー「ファイル」→「データフォルダを開く」をクリック
エクスプローラーが開くので、以下のフォルダに移動します:
データフォルダ\MQL5\Experts\
この「Experts」フォルダの中に、ダウンロードしたEAファイル(.ex5)をコピー&ペーストまたはドラッグ&ドロップします。
EAファイルの配置先を間違えやすい理由
PC内に複数のMT5がインストールされている場合(異なるブローカーのMT5など)、「データフォルダを開く」から開くフォルダが使用中のMT5のフォルダであることを確認してください。別のMT5のフォルダにコピーしても、使いたいMT5には反映されません。
STEP 2: MT5を再起動する
EAファイルを配置した後、MT5を一度完全に終了して再起動します。
再起動しないとEAが反映されないことがあります。「最新の情報に更新」だけではうまく読み込まれないケースがあるので、必ず再起動してください。
タスクバーのMT5アイコンを右クリックして「ウィンドウを閉じる」を選択するか、MT5のメニュー「ファイル」→「終了」で完全に終了してから再起動します。
STEP 3: ナビゲーターでEAを確認する
MT5再起動後、左側の「ナビゲーター」パネルを確認します。
ナビゲーターが表示されていない場合: 上部メニュー「表示」→「ナビゲーター」をクリック
ナビゲーターの「エキスパートアドバイザ」を展開すると、STEP 1で配置したEAの名前が表示されます。ここに表示されれば、MT5がEAを認識している状態です。
表示されない場合: ナビゲーターの「エキスパートアドバイザ」フォルダ名を右クリックして「再読込」を選択。それでも表示されない場合はファイルの配置先を再確認してください。
STEP 4: チャートを準備する
EAを設定したい通貨ペアのチャートを開きます。
EAが「USD/JPY・H1」向けに作られているなら、USD/JPYの1時間足チャートに設定します。時間足・通貨ペアがEAの仕様と一致していないと、正常に動作しないことがあります。
チャートの時間足を確認する方法
チャート上部に「M1」「M5」「H1」「D1」などの時間足ボタンが表示されています。EAの仕様書(ReadMeやマニュアル)に記載された推奨時間足と一致しているか確認してください。時間足が違うとEAが意図しないシグナルで動いたり、まったくシグナルが出なかったりします。
STEP 5: EAをチャートにドラッグ&ドロップ
ナビゲーターに表示されたEA名を、対象のチャートにドラッグ&ドロップします。
マウスの左ボタンを押しながら、EAの名前をチャートの上まで引っ張って離すだけです。これで設定ダイアログが自動的に開きます。
STEP 6: 設定ダイアログで「アルゴリズム取引を許可」にチェック
設定ダイアログが開いたら、「共通」タブを確認します。
「アルゴリズム取引を許可する」にチェックが入っているかを確認してください。ここのチェックが外れていると、後でどんな操作をしてもEAは一切取引を実行しません。
私が最初に詰まったのがまさにここです。チェックを入れ忘れて「なぜEAが動かないんだ」と1時間悩みました。
STEP 7: 「インプット」タブでパラメータを設定
「インプット」タブ(または「パラメータ」タブ)をクリックして、EAの動作設定を行います。
主に設定が必要な項目の例:
| 設定項目 | 内容 | 注意点 | |---|---|---| | LotSize(ロット数) | 1回の取引量 | 資金に対して大きすぎる設定は禁止 | | StopLoss | 損切り幅(pips) | 必ず設定することを推奨 | | TakeProfit | 利確幅(pips) | EAによっては自動設定の場合もある | | Magic Number | EA識別番号 | 複数EAを動かすときに重要 |
パラメータの詳細はEAの説明書(マニュアル)を確認してください。設定がわからないまま「デフォルトのまま」で動かすのは危険です。特にLotSizeは資金に対して適切な量を設定することが重要です。
ロットサイズの設定基準
初心者の方によくある失敗が「ロットサイズを大きく設定しすぎること」です。一般的な目安として、1万通貨(0.1ロット)あたり10万円程度の証拠金が必要です(レバレッジ・通貨ペアによって異なります)。最初はデモ口座でデフォルト設定のまま動かして、EAの動作パターンを把握してからロットサイズを調整することをお勧めします。
設定完了後、「OK」をクリックします。
STEP 8: ツールバーの自動売買ボタンをONにする
チャートにEAが表示されましたが、まだ自動売買は始まっていません。
MT5の上部ツールバーにある「アルゴリズム取引」ボタン(緑と赤の丸いアイコン)をクリックして有効化します。
ボタンが緑色になれば自動売買がONの状態です。赤いままなら、まだOFFです。
また、チャートの右上にEAのアイコンが表示され、その横に「顔マーク(スマイルマーク)」が表示されていれば、EAが正常に動作中のサインです。
よくある「EAが動かない」原因と対処法
EAをセットしたのに取引が発生しない場合、以下を確認してください。
原因1: ツールバーの自動売買ボタンがOFF 最も多い原因です。上部ツールバーの「アルゴリズム取引」ボタンが緑かどうか確認。
原因2: 「アルゴリズム取引を許可する」のチェックが外れている STEP 6の設定ダイアログで確認。チャートのEAアイコンを右クリック→「プロパティ」で再確認できます。
原因3: MT5のオプションで自動売買が制限されている MT5メニュー「ツール」→「オプション」→「エキスパートアドバイザ」タブで、「アルゴリズム取引を有効にする」にチェックが入っているか確認。
原因4: EAがエラーを出している MT5下部の「エキスパート」タブと「ジャーナル」タブを確認。エラーメッセージが表示されていれば、その内容に従って対処します。
原因5: EAの時間外・条件外 EAによっては特定の時間帯・条件下でのみ取引するものがあります。「動いていない」ではなく「まだ条件が揃っていない」場合があります。
原因6: VPSの時刻設定がずれている VPS経由で運用している場合、時刻設定がブローカーのサーバー時刻と大幅にずれているとEAが正しく動かないことがあります。VPSの時刻同期設定を確認してください。
Claudeと会話しながらインジケータが作れるhedgrow-fxでは、EA設定やトラブル解決をAIとの会話を通じてサポートします。
デモ口座で必ず確認してから実口座へ
EAを設定したら、いきなり実口座で動かすのではなく、デモ口座で最低1〜2週間動作確認することを強くお勧めします。
確認すべきポイント:
- 想定通りのタイミングでエントリー・決済が発生しているか
- ロット数・損切り幅が設定通りに動いているか
- エラーメッセージが出ていないか
- 連続で損失が続いた場合のドローダウン幅は想定範囲内か
会社員として「仕事中は口座を確認できない」からこそ、事前の動作確認が特に重要です。
デモ口座での確認期間の目安
最低でも1〜2週間、できれば1ヶ月以上デモ口座で動かすことをお勧めします。短期間の確認では、EAが条件を満たしてエントリーするケースが少ないため十分な動作確認ができません。相場が動く「イベント週」(米雇用統計・FOMC等)を少なくとも1回経験させてから本番に移ることが理想的です。
まとめ
MT5でのEA設定8ステップを振り返ります:
- EAファイル(.ex5)を「MQL5/Experts」フォルダに配置
- MT5を完全再起動
- ナビゲーターでEAが認識されているか確認
- 対象通貨ペアと時間足のチャートを準備
- EAをチャートにドラッグ&ドロップ
- 設定ダイアログで「アルゴリズム取引を許可する」にチェック
- ロットサイズ・損切り幅等のパラメータを設定
- ツールバーの自動売買ボタンを緑(ON)にする
「EAが動かない」場合は、自動売買ボタンのOFF・アルゴリズム取引許可のチェック漏れが原因の8割を占めます。まずこの2点を確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q: MT4のEA(.ex4ファイル)をMT5で使えますか? A: 使えません。MT4はMQL4、MT5はMQL5という異なる言語で開発されており、互換性がありません。MT5で使うには.ex5形式のEAが必要です。
Q: EAをチャートにドラッグしたのに設定画面が出ません。 A: MT5がEAを正しく認識していない可能性があります。MT5を再起動してナビゲーターにEAが表示されているか確認してください。
Q: 自動売買をすぐに止めたいときはどうすればいいですか? A: ツールバーの「アルゴリズム取引」ボタンをクリックして赤に戻すか、チャートのEAアイコンを右クリックして「エキスパートアドバイザを削除」を選択します。
Q: 複数のEAを同時に動かせますか? A: はい。ただし、同じチャートに複数のEAを適用する場合は「Magic Number(EA識別番号)」がそれぞれ異なる番号になっている必要があります。異なる通貨ペアのチャートに別々のEAを設定する場合は問題ありません。
Q: スマートフォンからEAを操作できますか? A: MT5スマホアプリでは自動売買の開始・停止操作はできません。EAの動作にはPC(またはVPS)環境が必要です。スマホアプリは残高確認・注文状況確認に使うものとお考えください。
Q: EAを設定したチャートを閉じるとEAも止まりますか? A: はい、チャートを閉じるとそのチャートに設定されているEAも停止します。EAを常時稼働させたい場合は、チャートを開いたままにするか、VPSを利用してMT5を24時間稼働させる必要があります。
Q: ロットサイズはどう決めればいいですか? A: 基本的な考え方として「1回の最大損失額が証拠金の1〜2%以内に収まるロットサイズ」が安全圏です。証拠金10万円なら1回の損失上限は1,000〜2,000円。損切り幅(pips)とロットサイズから逆算して決めると良いでしょう。
免責事項: 本記事はFX取引に関する情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではありません。FX自動売買(EA)には損失リスクが伴い、投資元本を失う可能性があります。取引は自己判断・自己責任で行ってください。
